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スペリング(綴り字)習得はなぜ重要か

  • 執筆者の写真: Sachiyo TAKANAMI
    Sachiyo TAKANAMI
  • 2015年11月29日
  • 読了時間: 2分


いつかのカフェオレ(2014)

日本の英語教育において,英語のスペリング習得はそれほど重視されていないのが現状です。意味を覚えることに集中させるあまり,単語の基礎的な知識における不均衡がみられています。

例えば,「スペリングを見て意味は答えられるけれど,発音はできない」または「意味も分かるし発音もできるし聞いて分かるけれど,正しいスペリングを書けと言われるとできない」というような学習者が存在しているのです。

単語が含む情報のどの部分を理解できていないか,これを正しく見分けるのは非常に難しいため,上記に挙げたような知識の不十分さは日々の教育の中では見過ごされがちです。もっといえば,スペリング習得は単語習得における単なる小さな要素にすぎない,と考えて特に気に留めずにおこうとする傾向もあるのです。

スペリング習得における不十分さが引き起こす重要な問題のひとつとして「間違いに気づけない」という点を挙げることができます。自分で英文を書く状況になったときに『間違った綴りを書いていても気づけない』ため,何度も見直しをしても『自分で修正ができない』という問題を抱えることになります。

(※「そのための【スペルチェッカー/スペリングチェッカ―】があるじゃない!」と思われる方も多いと思いますので,それはまた別の時にまとめたいと思います。)

英語圏の国々では,綴りを正しく書ける能力が非常に重要なものとして位置づけられています。綴りを正しく書けない学習者を "poor spellers" とよび "spellers" の頭文字 "S" をとって "S-" と表記されます。綴りを正しく書ける学習者の場合は "good spellers" とよばれており "S+" と表記されます。+記号 (good) と-記号 (poor) で表現すると,「できる」か「できない」かという点が強調されてしまいますが,結局のところ,綴りに関して判断するべきなのは正しく「書ける」か「書けないか」という非常にシンプルなものだということも理解できます。習得過程における綴りの誤りは貴重な研究データとなりますので,エラー分析 (誤り分析) の対象になったりもします。

英語だけに限らず日本語でも書き間違いやタイプミスはよくあることですし,こういうことは誰にでも起こり得る「(うっかり)ミス」と考えています。例えば疲れていたりして,書き間違いを修正しそびれたというような場合は別として,自分の書き間違いに気づけないというのは「(深刻な)エラー」であると私は捉えています。

まだまだ色々と書きたいことがあるのですが,少しずつ頭の整理をする意味も含めてまとめていきたいと思います。

 
 
 

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